鬼の声

電車を乗り換えようと地下のコンコースを歩いていたら
「マツウラ!」と頭の後ろで呼びつけられた気がした。



中途半端なことはするな!怠けるな!図に乗るな!真面目にやれ!
と言っている様な怒気を孕んだ声だった。鬼の声の様な。



背中がヒヤリとした。
とっさに何処かに逃げなくちゃ、と思った。